【速報】2026年所得税の「年収の壁」が160万→178万円へ!ようやく中所得者層の手取り増に!

所得税の103万円の壁が、令和7年度税制改正で「160万円」になりましたが、さらに令和8年度改正で「178万円」になる見込みです。

この改正により、中所得者層にかなりの恩恵があります。

過去のブログで160万円の壁の解説をしていなかったこともあり、今回の178万円の引き上げとセットで解説します。

2年にわたる移行プロセスを解き明かすことで、改正の背景と効果が理解しやすくなりますので、ぜひ最後までお読みください。

目次

なぜ「178万円」なのか?

これまで30年近く放置されてきた所得税の「103万円の壁」。

最低賃金が上がり続ける中、かつてと同じ時間働こうとすれば、すぐにこの壁を超えてしまいます。結果として労働時間を減らす「働き控え」が常態化し、日本経済の足かせとなっていました。

今回合意された「178万円」という数字には、明確な根拠があります。

  • 1995年当時の最低賃金と比較した現在の上昇率=約1.73倍
  • 当時の壁103万円 × 1.73 ≒ 178.2万円

つまり、これは単なる減税ではなく、「税制をインフレと賃金上昇」という経済実態に合わせる合理的なアップデートと言えるものです。

2025年の「160万円の壁」は低所得層向け

2025年は「160万円」までの引き上げが実施されました。

仕組みは「3層構造」

従来の「基礎控除+給与所得控除」に加え、低所得者層に配慮した「基礎控除の上乗せ特例」が登場します。

構成要素従来(~2024)2025年改正増加額
① 基礎控除(本則)48万円58万円+10万円
② 給与所得控除55万円65万円+10万円
③ 上乗せ特例(新設)なし37万円+37万円
合計(非課税枠)103万円160万円+57万円

中所得者層には恩恵が薄い

2025年制度の最大の特徴は、「稼ぎすぎると上乗せ特例が減る」という点です。

この160万円の壁の恩恵をフルに受けられるのは、年収200万円以下の層に限られます。

2025年はあくまで「パート・アルバイト対策」の色合いが濃く、サラリーマン全体への恩恵は限定的です。

2026年の「178万円の壁」で中所得者層に恩恵

2026年で制度が完成形となり、ターゲットが「パート・アルバイト」から「現役世代全体」へと拡大します。

中間層まで「上乗せ特例」が満額適用へ

2026年からは、基礎控除と給与所得控除がさらに積み増しされ、合計178万円になります。

何より重要なのは、年収665万円以下の層まで、基礎控除の上乗せ特例が満額適用されるという点です。近年の物価高騰下において、大変ありがたい改正と言えます。

①所得税の減税効果
年収300万円の方 → 約3万円
年収600万円の方 → 約5万円

②住民税の減税効果
年収にかかわらず約0.4万円

残る「2つの壁」も意識すべき

「178万円まで税金がかからないなら、178万円まで働こう!」

そう考える前に、住民税と社会保険という、別の2つの壁を理解する必要があります。

① 住民税の壁は「119万円」

所得税は178万円まで0円ですが、住民税の非課税ラインは約119万円にとどまります(住民税は1年後になるため、2026年は110万円)。

119万円を超えて178万円までの間は、「所得税はゼロだが、住民税は払う」というゾーンになります。

とは言え、次に解説する「社会保険の壁」に比べると、手取り額への影響度合いは小さいです。

② 最大の難関「社会保険の106万円の壁(週20時間の壁)と130万円の壁」

【パート主婦のシミュレーション(2026年)】

年収129万円: 手取り 約127万円(社保なし)
年収130万円: 手取り 約105万円(社会保険料 約22万円発生)
→手取りが約22万円も減る「逆転現象」発生

手取りを回復させるには、年収160万円以上まで一気に働く必要があります。

なお、社会保険の扶養範囲の「130万円の壁」は2026年4月から緩和されますが、2026年10月からは短時間労働者の社会保険加入要件の「106万円の壁」に替わる「週20時間の壁」が登場(厳格化)します。

詳しくはこちらのブログで解説しています。

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まとめ

今回の税制改正の本質は、「103万円の壁」を単に引き上げたことではありません。税制を、賃金上昇や物価高といった現実に合わせてアップデートした点にあります。

  • 2025年:160万円の壁
     → パート・アルバイトなど低所得者層の働き控え対策
  • 2026年:178万円の壁
     → 中所得者層まで含めた、現役世代全体への減税

「178万円」という数字も、最低賃金の上昇率から導かれた合理的な水準であり、中間層にとっても実感できる減税効果が期待できます。

一方で注意したいのが、

  • 住民税の119万円の壁
  • 社会保険の106万円・130万円の壁

といった所得税以外の壁です。とくに社会保険は、超えた瞬間に手取りが大きく減るケースもあり、「税金だけを見て判断すると失敗する」典型例と言えます。

このように、これからの働き方や収入設計は「税金」と「社会保険」を切り離して考えられない時代になっています。

当事務所では、提携している社会保険労務士と連携し、

  • 税金
  • 社会保険
  • 手取り額への影響

トータルで見据えた相談対応が可能です。

「どこまで働くのが一番得なのか」
「配偶者や従業員の働き方をどう設計すべきか」

そんなお悩みがあれば、制度が複雑になる今だからこそ、早めに私たちにご相談ください。

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この記事を書いた人

関東の国税局・税務署で10年以上、法人の税務調査や酒類業免許審査担当などに従事。高付加価値サービスを提供する税理士法人で実務経験を積み、より多くのお客様に向き合うため独立開業。
顧問先様の「税務調査ゼロ」を掲げ、年間30件以上の創業支援を手がける。酒類販売免許に強い行政書士としても活動し、令和7年度からは大阪産業創造館の「経営サポーター」として大阪の経営者を多角的に支えている。

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