元国税調査官の税理士開業日誌③【開業1ヶ月前~退職(開業)日】

こんにちは!

今日はあいにくの雨ですね。
寒暖差も大きいので、体調管理には気をつけたいところです。

私ごとですが、すでに明日の仕事の準備が完了していますので、今日は家でまったりとゲームをします。
最近は『Vampire Survivors』『Rogue Lords』などインディーゲームにはまり中。

インディーゲームには斬新なシステム、独自の世界観、引き算の考え方などがあります。
それらを創り出す開発・製作者の方に対して尊敬の念を抱いています。

さて、開業日誌も3日連続UPとなりました。
ゴールデンウィークの休みの間に、退職(開業)日までを書くという目標を無事達成!
しかも、ありがたいことに、他の記事よりも読んでくださる方が多くて、嬉しいような恥ずかしいような気持ちです。

本題に入りましょう。
この開業日誌は、時系列かつ実体験に基づくシリーズものです。

税理士の開業を志す方、今後開業を予定している方の参考になるよう、私が実際にして良かったことや、悪かったことなども書いています。

どの開業日誌よりもリアルに書きつつ、自分自身の行動も振り返り、次のアクションに活かしています。

今回の開業日誌は、開業1ヶ月前から開業日まで(2024年10月~)に準備や行動してきたことを書いていきます。
4,500字超と長いブログですが、開業される方たちの参考になれば幸いです。

目次

取り組んだこと一覧

勤務していた税理士法人の退職日が10/31でしたので、この時期は税理士法人の業務で忙しい時期でした。

税理士法人の10月の業務は、8月決算のお客様の決算・申告が3社あり、規模が大きい法人の決算申告のため作業量が多く、個人的には1年で最も忙しい時期でした。

だからこそ、10/31を退職日にしたという経緯があります。
というわけで、この時期に開業に向けてしてきた準備や行動は少ないです。

これがリアルな内容であり、けっしてブログの手を抜いているわけではありませんからね。
この時期に取り組んだことは、次のとおりです。

①八尾市のインキュベートルームの面接審査
②税理士会・行政書士会へ登録に関する申請書類作成
③ビジネス用IP電話の申込
④名刺の作成

それぞれの内容を詳しく書いていきます。

取組の具体的な内容

①八尾市のインキュベートルームの面接審査

この面接は9名に囲まれながら、プレゼンと質疑応答を行うものでした。
9名のうち5名が審査を行う有識者の方たち、残り4名がインキュベートルームの管理などを行う八尾市の産業政策課の関係者の方たちです。

事前に「事業計画書」を作成・提出し、その内容に基づきプレゼンします。
質疑応答は、事業計画書の内容やプレゼンの内容のほか、有識者の方それぞれからの質問となっています。

事業計画書については、税理士法人の業務で何度も作成していました。
インキュベートルームのマネージャーの方から、事業計画書の質・量ともにお墨付きをもらっていたため、面接には自信をもって臨めました。

プレゼン資料については、スライド生成AI「イルシル」を使用して作成しました。
イルシルはかなり便利で、PowerPointでスライドを作成するよりも3倍速く資料を作成。
無料プランで十分に満足できるものが作成できます。

限られた時間で、そこそこのデザイン性もあるスライドができました。
イルシルで作成したスライドの表紙+イルシルの操作画面は下の画像のとおりです。


左側にあるすべてのスライドは、文書から提案されたものか、用意されたテンプレートを加工したものです。
画像やレイアウトも自動作成のため、時短を図りながら、良いデザインのスライドが作成できます。

日ごろから、新しい情報を取り入れたり、時短を意識したことで「イルシル」を知り、それを十分に活用できました。
仕事では情報収集はもちろん、インプットからアウトプットすることが改めて重要と感じます。

ちなみに、スライドの表紙「いしい税理士・行政書士事務所」の丸くて青いロゴも、スマホのロゴ作成アプリ(生成AI)で作りました。

ロゴはとりあえずで作成したため、知人のデザイナーに依頼するか、Canvaの生成AIで作成しようか検討中です。

少し話がそれましたが、プレゼン時間10分ちょうどになるよう、プレゼンの練習をしっかりしました。
面接では力を出し切ることができ、無事に審査をパス。

面接の2日後にはインキュベートルーム「使用可」の連絡をもらいました。
11/1から事務所として利用でき、自分の城を持つに至ります。

ここで反省点があります。

「使用可」の連絡はメールであったため、そのメールを見落としてしまったことです。
メールがあってから1週間後に、メールに気づくという失態・・・
普段このようなことはないのですが、税理士法人の業務が忙しく、体調不良にもなっていたと言い訳しつつ反省です。

このタイミングで事務所の所在地が決定。
遅ればせながら、税理士会・行政書士会の登録関係の書類提出ができるようになりました。

下の画像は事務所内の写真です。
22㎡の個室で、家賃は月22,000円(水道光熱費・通信費込み)と格安!

事務所奥(窓)側:机・キャビネ・ロッカーは備付

事務所入口側:来客用机・イスは家具屋で購入

②税理士会・行政書士会へ登録に関する申請書類作成

税理士会については、所属税理士から開業税理士に登録変更する手続が必要です。
行政書士会については、新規登録の手続が必要です。

税理士会は登録「変更」の手続のため、そこまで大変ではないです。
しかし、行政書士会の登録手続は大変でした。
他の士業よりも書類の作成量が多く、しかも細かいです。

八尾商工会議所建物にある八尾市のインキュベートルームが事務所であるため、特殊な状況と言えます。
不動産の登記や賃貸借関係、インキュベートルームの募集要項や申込書の内容の説明や提出を求められました。

事務所がある建物の外観、建物の入口、事務所があるスペースまでの経路、事務所の入口、事務所内四角など写真も添付しなければなりません。

それらを図示して、どこから撮影したかを示す必要もあります。

行政書士は官公署へ提出する書類、権利義務や事実証明に関する書類を作る「書類作成業務」などを行うため、その分登録申請はハードルが高いと感じました。

結果として、書類の提出は10月末までに間に合いませんでした。

税理士会は11/12に書類提出、11/27に登録変更完了(税理士証票などが届くのはもう少し後)。
行政書士会は予約をして書類提出をするため11/19に提出、12/15に登録完了。

なので、実質の開業日は12/15と言えます。

行政書士の登録について、事務所がある建物の登記がかなり複雑で、提出が必要な登記事項証明書の取得に約1万円かかったのは良い思い出です(笑)

③ビジネス用IP電話の申込

事務所用の電話をIP電話にしようと考え申込をしました。

固定電話にしなかった理由は、インキュベートルームの利用が最長3年のため、移転が前提だからです。
なので、移転時の手続は最小限にしたいと考えました。

IP電話はスマートフォンの050通話アプリ『LaLa Call』を使用しています。
オプテージ社(eo光)が運営するサービスです。

これにより、同じスマートフォンで2つの番号が使用できます。
つまり身軽です。

過去に「050 plus」を長く利用していましたが、会社の吸収合併の関係で、2023年6月に新規受付停止などがあったため、リーズナブルで同じような機能がある『LaLa Call』にした経緯があります。

LaLa Callは月額料金が110円で、通話料はケータイへは30秒8.8円、一般電話へは3分8.8円です(税込金額)。

ただ、2025年7月1日以降は月額料金が429円に改定されます。
けっこうな値上げですが、もともとリーズナブルなので、私は当面の間このまま使い続けます。

050電話は「ビジネスでの信用力はどうなん?」という声があります。
私も同じように考えましたが、今のところは影響はないと感じています。

電話つながりで、メールアドレスについては、独自ドメインのメールアドレスにしています。
050電話、かつメールアドレスが「gmail.com」や「yahoo.co.jp」などであれば、信用力に響くかもしれません。

ちなみに、独自ドメインのメールアドレスを「Gmail」にリンク(指定)させることができます。
私はプライベートのアドレスのメールと、ビジネスメールの両方をGmailを使ってやり取りしています。

意外と知られていないようですので、ご参考まで。

④名刺・封筒の作成

名刺・封筒(事務所名や所在地など明記)は「ラクスル」で作成・注文しました。

ラクスルにした理由はリーズナブルで、テンプレートも豊富だったからです。
名刺は100部で1,500円前後です。

現在、使用している名刺は次の画像のとおりです。

実際の名刺は「角丸加工」をして、他の名刺とは違う風合いに。
名刺の紙や加工の種類も多いので、注文ごとにいろいろと試していきます。

封筒については、開業した先輩税理士から事務所用のものがあった方が良いと、アドバイスがあり作成しました。
大事な書類を市販の茶色い封筒で送付したときに、お客様から安っぽいと意見があったとのことです。

名刺に写真を載せるべきかについて、写真はある方がよいです。
開業すると名刺交換する機会がかなり増え、写真があると後で名刺を見たときに、どんな人だったか、どういう話をしたか思い出しやすくなるからです。

ただ、私の写真はけっして良いものではなく、写真を変えたい!と思いつつ、今もそのままになっています。
趣味の日焼けサロン通いが安定し、小麦色の肌になったときに写真を撮ろうと企んでいます。

振り返りまとめ

八尾市のインキュベートルームの面接審査について、プレゼン資料作成で初めてスライド生成AI「イルシル」を使用しました。

この時期は時間の制約が厳しかったため、最初からAIの力を借りて時短を図れたことは良かったです。
見やすさとデザインもなかなかのスライドであり、面接でも好印象だったそうです。

インキュベートルーム使用開始時には、面接をしてくださった有識者の方たちから助言や励ましの言葉がありました。
開業時と開業後半年近くになった今、その言葉を読むと、受け止め方が変わっています。

それだけ深さや重みがある言葉ですので、有識者の方たちに改めて御礼申し上げたい気持ちになります。
今後もPDCAを回しながら、強く・楽しく・おせっかいな仕事をしていきます。

面接審査以外に取り組んだことについても熟考したり、比較・検討をして判断できたことが良かったです。

とは言え、常に良い判断ができるかというと、そうではありません。
開業後は判断を誤ることもありました。

今後の開業日誌では、余計な出費をしたことなど失敗談も書くことになります。
これからも守秘義務に反しない範囲で、良かったこと、悪かったこと、改善点などをリアルに書いていきます。

開業日誌④以降では、退職(開業)後について書く予定です。
お盆休みの時期にの、開業後6ヶ月間の内容をUPする予定ですので、お楽しみに!!

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この記事を書いた人

関東の国税局・税務署で法人の税務調査や酒類業免許審査担当などに従事。
業界の手本と言える高付加価値サービスを提供する税理士法人で実務経験を積み、出身地である八尾市にて独立開業。
現在、法人の税務顧問に特化した税理士事務所と、酒類販売業免許専門の行政書士事務所を経営するとともに、令和7年度 大阪市産創館の経営サポーターとしても活動。

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