株式会社 vs 合同会社、どっちが得? 資本金はいくらが正解? 失敗しない選び方

「個人事業主から法人化したいけれど、株式会社と合同会社、どちらにすべき?」 「資本金は1円でもいいって本当?」

これから創業される方から多く寄せられるこの2つのご相談。なんとなく決めてしまうと、後から「税金で損をした」「許可が降りずに営業できない」といった事態になりかねません。

今回は、基本の選び方から、許認可が必要な業種の資本金ルールまで、専門的な情報を分かりやすく解説します。

目次

株式会社 vs 合同会社:徹底比較

まず結論から言うと、基本の判断基準は以下の通りです。

株式会社: 「対外的な信用・採用・拡大」を重視する場合
合同会社: 「初期費用の安さ・手軽さ」を重視する場合

比較表で見る違い

項目株式会社 合同会社
設立費用(実費)約20〜25万円約6〜10万円
社会的信用高い(一般的)やや低い(ただし知名度は向上中)
役員の任期あり(最長10年・更新登記必須)なし(更新の手間・費用ゼロ)

資本金の額:いくらに設定すべきか

法律上は「1円」から設立可能ですが、実務上は推奨されません。

小規模法人では「100万円〜300万円」、あるいは節税を意識して「1,000万円未満」に設定することをおすすめします。

決める際の3つの重要ポイント

① 会社の信用と銀行口座開設

「1円設立」の最大のリスクは、銀行法人口座の審査落ちです。「事業実態がない」と扱われるため、最低でも初期費用+数ヶ月分の運転資金(100万円以上推奨)を用意しましょう。

Point: 資本金は設立後、個人預金から会社預金に移動した上で、預金から引き出すなどして、経費(家賃やPC代など)に使ってOKです!

② 消費税と税負担の差

消費税免税の特例
資本金を1,000万円未満(999万円以下)に設定すると、設立1期目(条件により2期目も)の消費税が免除されます。※BtoB取引などにより、インボイス登録する場合は除きます

法人住民税の均等割
資本金が1,000万円を超えると、赤字でも払う「均等割」という税金が年間約7万円→約20万円に跳ね上がります。

③ 許認可が必要なビジネスの「資本金要件」

事業内容によっては、法律で「最低これだけの財産(資本金)を持っていないと許可を出さない」と決められているものがあります。

該当するビジネスを始める場合、資本金要件を満たさないと許認可が降りません。

▼ 主な許認可と必要な資本金(財産的基礎)の目安

業種必要な資本金・資産要件の目安
一般建設業500万円以上の自己資本
特定建設業2,000万円以上の資本金 ほか
有料職業紹介事業500万円以上の基準資産額(1事業所あたり)
一般労働者派遣事業2,000万円以上の基準資産額(1事業所あたり)
旅行業(第3種)300万円以上の基準資産額

※これら以外の一般的なビジネス(IT、WEBデザイン、コンサル、小売、飲食など)には、金額の縛りはありません

まとめ:おすすめのパターン

迷ったら次の要素を考慮して決めましょう。

パターンA:「とりあえず法人化」&「コスト重視」

フリーランス・個人事業主の法人成りに最適。

形態: 合同会社
資本金: 50万円〜100万円
理由: 設立費6万円〜と最安。ランニングコストも低く、手元の資金で無理なくスタートできる

パターンB:「対外信用重視」&「許認可・拡大あり」

建設業や人材業、または事業拡大を見据えた方へ。

形態: 株式会社
資本金: 300万円〜500万円(※業種の許認可要件を必ずクリアし、かつ1,000万円未満に)
理由: 許認可の要件を満たしつつ、大手企業や銀行からの信頼を獲得できる

最初は合同会社で作って、軌道に乗ったら株式会社にすることが可能です(費用と手続期間が発生)。

法人化はゴールではなくスタートですので、むしろ創業後の意思決定の速さ・行動量の多さが重要と考えます。

当事務所は創業者の税務と経理はもちろん、経営のサポート実績が豊富です。法人を設立したい方は、提携している司法書士とともに対応しますので、私たちにご相談ください。

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この記事を書いた人

関東の国税局・税務署で10年以上、法人の税務調査や酒類業免許審査担当などに従事。在籍中に中小企業診断士登録。その後、高付加価値サービスを提供する税理士法人で実務経験を積み、より多くのお客様に向き合うため独立開業。
顧問先様の「税務調査ゼロ」を掲げ、年間30件以上の創業支援を手がけるとともに、酒類販売免許に強い行政書士として活動。令和7年度からは大阪産業創造館の「経営サポーター」として大阪の経営者を多角的に支えている。

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