【元国税職員が解説】酒類販売業免許後の「販売管理調査」は怖くない!電話連絡から当日のチェック項目まで完全網羅

「せっかく酒類販売業免許を取ったのに、税務署の調査が入るなんて聞いていない!」

「突然、知らない税務署から電話がかかってきて焦った……」

あまり知られていませんが、免許取得後には税務署による調査が行われることがあります。

「調査」と聞くと、何か悪いことをしたのではないかと不安になる方も多いでしょう。また、免許申請の情報は溢れていても、「免許取得後の調査」に関する情報は、国税庁の形式的なもの以外、ほとんど出回っていません。

しかし、安心してください。

最も頻繁に行われる「酒類の販売管理調査」は、早ければ15分程度で終わり、事前にポイントを押さえておけば恐れる必要は全くありません。

今回は、実際に税務署で調査を行っていた元国税職員の視点から、以下の疑問をすべて解決します。

  • 税務署からどんな電話連絡が来るのか?(リアルな会話例)
  • 当日はどこを見られるのか?
  • どうすればスムーズに終わるのか?

この記事をブックマークして、いざという時に見返せるようにしておきましょう。

目次

免許取得後に行われる調査の種類

まず全体像を把握しましょう。酒類の免許取得後に行われる調査は、主に以下の4つです。

調査の名称調査の内容調査対象(原則)
①酒類の販売管理調査小売販売場へ臨場し、20歳未満の者の飲酒防止に関する表示の遵守状況等を確認する調査酒類小売業免許業者
②酒類の取引状況等実態調査酒類の公正な取引環境を整備するための調査。主に正当な理由なく「原価+経費≧売価」となっていないか調査酒類小売業免許業者
酒類卸売業免許業者
酒類製造免許業者
③表示事項確認調査酒類の容器・包装の表示が法令で定められている表示義務事項や表示基準に基づくか調査酒類製造免許業者
④酒税調査酒税を納める酒類の製造者等の申告内容が正しいか調査酒類製造免許業者

今回のブログでは、酒類小売業免許業者(コンビニ、スーパー、リカーショップなど)をお持ちの方に対し、最も多く行われる「①酒類の販売管理調査」について深掘りします。

「酒類の販売管理調査」とは?

この調査は、未成年者飲酒防止の表示などが正しく行われているかを確認するものです。

結論から言うと、お酒コーナーの表示を再確認し、当たり前のことをしていれば、特別な「対策」や「準備」は不要です。

調査を担当するのは、税務署の「酒類指導官部門(しゅるいしどうかんぶもん)」です。

知っておきたい「酒類指導官部門」のこと

ここを知っておくと、突然の電話にも慌てずに済みます。

すべての税務署にあるわけではない
「酒類指導官部門」は特定の税務署に設置されており、近隣の複数の税務署を管轄しています。

管轄外から電話が来る
あなたの店舗の管轄税務署とは「別の税務署名」で連絡が来ることがありますが、これは担当エリアが広域だからです。詐欺や間違い電話ではありません。

参考: 管轄の酒類指導官部門は「国税庁HP 酒税とお酒の免許に関するご質問やご相談等について(大阪国税局管内)」で確認できます。

【実録】調査の電話連絡はこう来る

調査は原則として、事前連絡があります。

私が調査官として電話をかけていた際の実例をご紹介します。これを知っておけば、落ち着いて対応できるはずです。

電話連絡のリアルな会話例

①「〇〇税務署、酒類指導官部門の〇〇です。いつもお世話になっております。店長はいらっしゃいますか?」
②「突然ですみませんが、〇〇店(販売場名称)のお酒の陳列場所の表示の確認など、酒類の販売管理についての確認調査を予定しています。所要時間はスムーズにいけば15分から20分程度です。」
③「〇月〇日の11時ごろにお店にてご対応いただくことは可能でしょうか。当日は酒類販売管理者の方かそれに代わる責任者の方にご対応いただきたいです。」
④「調査当日までにお酒の陳列場所の表示が正しく行われているか、見直してもらえるとありがたいです。」
⑤「では当日の11時ごろ、〇〇様あてに、〇〇税務署、酒類指導官部門の〇〇が伺います。念のため、こちらの連絡先をお伝えします。電話番号は~」

元調査官からのアドバイス

日時は変更可能
指定された日時が忙しい時間帯なら、遠慮なく変更を申し出てください。調査は1日に5件程度行うため柔軟に対応してくれます。

事前に直してOK
「当日までに表示を見直しておいてくださいね」と伝えてくれることがあります。調査官としても、行って指摘するより、当日に「問題なし」で終わる方がスムーズだからです。

駐車場の確認
地方や郊外の場合、車で向かうことが多いため、駐車場の有無を聞かれることがあります。

調査当日のチェックリスト

当日の調査で確認されるのは、主に以下の3点です。

20歳未満の者の飲酒防止に関する表示(お酒コーナーの表示)
酒類販売管理者の選任状況・標識の掲示
社会的要請(リサイクル、適正飲酒の啓発など)

それぞれ具体的に何を確認されるか解説します。

① お酒コーナーの表示チェック

お客様から見てわかりやすい場所に、以下の表示があるか確認します。

「お酒コーナー」の表示
100ポイント以上の大きさで明記されているか。

区分陳列の表示
ノンアルコール飲料や清涼飲料水と隣接する場合、明確に区分されているか。

対応策:

表示が漏れやすいのは、「催事コーナー」や「期間限定の売り場」です。ここも忘れずに表示しましょう。

万が一不備があっても、その場で改善(下のサンプルを貼るなど)すれば指導完了となることがほとんどです。

国税庁:未成年者の飲酒防止に関する表示基準の実施について(サンプル)

② 酒類販売管理者標識・選任のチェック

標識の掲示
レジ横やお酒コーナーなど「公衆が見やすい場所」に掲示されているか。(内容は研修受講証と一致しているか)

管理者の在籍
選任されている管理者が退職・異動していないか。(異動している場合は、速やかに「酒類販売管理者選任(解任)届出書」の提出が必要)

研修期限
過去3年以内に研修を受けているか。

責任者の配置について:

「深夜営業(23時〜翌5時)」「管理者が長時間不在」「売り場が複数階にある」などの場合は、管理者に代わる「責任者」の指名・配置が必要です。これはヒアリングで確認されます。

③ その他のチェック(社会的要請など)

これらは主にヒアリングや、調査官が持つチェックシートへの記入形式で行われます。

年齢確認の方法
「レジのタッチパネル」「お声がけ」など、どう実施しているか。

リサイクル・啓発
容器のリサイクル活動や、適正飲酒のポスター掲示など(していなくても罰則はありませんが、協力が求められます)。

売価の確認
安売り(不当廉売)の調査に関連して、お酒の値段をメモしていくことがあります。

まとめ:調査は「事前の再確認」が重要

酒類の販売管理調査は、「お酒コーナーの表示」「販売管理者の標識」がしっかりしていれば、何も怖いことはありません。

  • 早ければ15分で終わる
  • 事前に表示不備がないか見回っておく
  • 管理者の研修期限が切れていないか確認する

これだけで十分です。

この記事を読まれたあなたが、突然の税務署からの連絡にも「ああ、あのブログで読んだやつだ」と余裕を持って対応できることを願っています。

【最後に】免許取得や手続きに不安がある方へ

当事務所では、税務署で1,000件超の免許審査・交付を行ってきた行政書士が、免許申請を行っています。

「最短・確実」な免許取得はもちろん、今回解説したような「取得後の調査」や「日々の疑問」にも無料で対応しています。疑問やお悩みがあれば、私たちにお気軽にご相談ください。

免責事項
当ブログのコンテンツ・情報について、できる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

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この記事を書いた人

関東の国税局・税務署で10年以上、法人の税務調査や酒類業免許審査担当などに従事。在籍中に中小企業診断士登録。その後、高付加価値サービスを提供する税理士法人で実務経験を積み、より多くのお客様に向き合うため独立開業。
顧問先様の「税務調査ゼロ」を掲げ、年間30件以上の創業支援を手がけるとともに、酒類販売免許に強い行政書士として活動。令和7年度からは大阪産業創造館の「経営サポーター」として大阪の経営者を多角的に支えている。

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