令和7年度税制改正の目玉として「103万円の壁の対応」があります。
この改正の裏で、「防衛特別法人税の創設」の改正もされました。
103万円の壁の対応の影響で話題になりませんでしたが、こちらも大きな改正ポイントです。
「防衛特別法人税の創設」は令和5年度税制改正から取り上げられていましたが、2度先送りされた経緯があります。
今回のブログでは、この「防衛特別法人税」を解説します。
防衛特別法人税の概要
令和8年4月1日以後に開始する事業年度から当分の間、防衛特別法人税確定申告書の提出が必要となります。
この税金は防衛費増額の財源の一部とされます。
決算期変更などイレギュラーなことがなければ、令和9年3月末決算から防衛特別法人税を計算し、申告書を提出しなければなりません(中間申告は令和9年度から)。
防衛特別法人税の計算は次のとおりです。
防衛特別法人税=(基準法人税額-基礎控除額500万円)✖税率4%
基準法人税額とは、所得税額控除や外国税額控除などの税額控除を適用しないで計算した法人税の額のことです。
防衛特別法人税のポイント
防衛特別法人税のポイントをまとめたものは次のとおりです。
①赤字の会社のほか、所得金額が2,400万円未満の会社には防衛特別法人税は発生しない
②申告期限や納期限は法人税と同じ
③法人税の申告書様式が変更される
①について、前述の計算式で「基礎控除額500万円」は法人税ベースですので、所得金額に換算すると約2,400万円となります。
つまり、所得金額が約2,400万円以上となった場合に防衛特別法人税が発生します。
所得金額については、ざっくり言うと、決算書の「税引前当期純利益」に近いイメージです。
利益が2,400万円以上の場合に、防衛特別法人税が発生する可能性があるため、規模が小さい法人はほとんど影響がないと言えます。
防衛特別法人税が発生する場合の、防衛特別法人税額のイメージは、所得金額の1%弱(1%より少ない)です。
②と③については、5月に作成された国税庁のパンフレットの3ページと4ページでご確認ください。
【国税庁のパンフレット「防衛特別法人税が創設されました」】
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0025004-109_1.pdf
この記事が、会社経営されている方など、多くの方の参考になると嬉しいです。
ではまた!