税理士事務所がNotebookLMを手放せなくなった理由

税理士業界にとって、切っても切り離せないのが「膨大な資料との格闘」です。 毎年の税制改正、数百ページに及ぶ国税庁の手引き、そして複雑な法令解釈通達……。

「あの特例の要件、どこに書いてあったっけ?」と資料をめくる時間に追われている先生も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな私たちの「知識の整理」を劇的に変えるGoogleの最新AIツール、「NotebookLM」の実務活用術をご紹介します。

目次

そもそも、NotebookLMは何が違うのか?

ChatGPTなどの生成AIを実務で使おうとして、「もっともらしい嘘(ハルシネーション)」にヒヤッとしたことはありませんか?

NotebookLMが従来のAIと決定的に違うのは、「自分がアップロードした資料(ソース)のみを根拠に回答する」という点です。

  • 出典(ソース)が明示される: 回答の根拠が資料の何ページ目にあるか、すぐに飛べます
  • 嘘をつかない: 資料に書いていないことは「記述がありません」と答えます

まさに、「超優秀な、記憶力100%の税務スタッフ」が一人増えるような感覚です。

税理士事務所での具体的活用シーン3選

当事務所での具体的な活用方法をご紹介します。

膨大な「手引き」からピンポイントで条件を抽出

例えば、住宅ローン控除やインボイス制度の複雑な手引き。100ページ以上あるPDFをNotebookLMに入れ、こう質問します。

質問例: 「中古住宅を購入した場合で、耐震基準適合証明書がないケースの適用要件を箇条書きで教えて」

AIが資料の中から該当箇所を瞬時に見つけ出し、要件をまとめてくれます。検索キーワードが思い出せなくても、「自然な言葉」で探せるのが強みです。

税務大学校の「税大講本」をソースに入れておくのもおすすめです。
「税大講本」の有用性は下のブログで解説しています。

あわせて読みたい
【完全無料】国税庁の「〇〇〇〇」で税法と税務調査の“実務論点”が学べる 「法人税法を勉強したいが、どの教材を使えばいいのかわからない」「実務書は多いけれど、制度の全体像がつかみにくい」 そんな方にぜひ知ってほしいのが「税大講本」で...

専門用語を「お客様向け」に翻訳

通達の文章は、そのままお客様に伝えてもなかなか理解していただけません。

活用法: 難しい通達のコピーを読み込ませ、「これを、税務の知識がない経営者に伝えるためのメール文案にして。特にメリットとリスクを強調して」と指示。

これで、専門性を保ちつつも、温かみのある分かりやすい解説案が数秒で完成します。

事務所内の「過去のQ&A」を資産に変える

事務所内に溜まっている過去の相談事例や、独自のマニュアルをNotebookLMにまとめてアップロードしておきます。

  • 「以前、似たような事例でどう判断したっけ?」
  • 「事務所の電子データ保存の運用ルールはどうなっていた?」

これらを質問するだけで、事務所専用のナレッジデータベースが構築できます。新人スタッフの教育コスト大幅削減にも繋がります。

【重要】セキュリティと機密保持について

NotebookLMの仕組みは、AIがあなたの資料を「学習」して記憶するのではなく、回答の際にあなたの資料を「参照」するものです。

したがって、「アップロードしたデータは、AIの学習には使用されない」こととなります。

とは言え、セキュリティに「絶対的な安心はない」と考える必要があります。

士業はお客様の個人情報を扱うことから、顧問先の個人名や固有の企業名などは伏せ、一般的な条件(「A社」とする、など)にした資料を作成して活用するのが、安心な運用方法と言えるでしょう。

まとめ:AIは「判断」ではなく「整理」のパートナー

税務判断の最終責任を持つのは、私たち税理士です。 しかし、その判断に至るまでの「調べる」「整理する」「要約する」という作業は、NotebookLMのようなツールに任せることができます。

事務作業を効率化することで、私たちはもっと「お客様との対話」や「経営の深い悩み」に時間を使えるようになります。

いしい税理士・行政書士事務所では、こうした最新技術を積極的に取り入れ、迅速で正確なサポートを提供しています。

クラウド会計やAIツール導入のサポートも行っていますので、業務効率化につながる経理や事務をしたい方は、ぜひ一度私たちにご相談ください。

免責事項
当ブログのコンテンツ・情報について、できる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

関東の国税局・税務署で10年以上、法人の税務調査や酒類業免許審査担当などに従事。在籍中に中小企業診断士登録。その後、高付加価値サービスを提供する税理士法人で実務経験を積み、より多くのお客様に向き合うため独立開業。
顧問先様の「税務調査ゼロ」を掲げ、年間30件以上の創業支援を手がける。酒類販売免許に強い行政書士としても活動し、令和7年度からは大阪産業創造館の「経営サポーター」として大阪の経営者を多角的に支えている。

目次