税理士選びで失敗する経営者が多い理由とは?業界の「ブラックボックス」を解説

経営者の皆様、現在の税理士事務所の対応に「不安」や「不満」を感じたことはありませんか?

  • 「上から目線で相談しづらい」
  • 「レスポンスが遅い、連絡が取れない」
  • 「節税などの提案やアドバイスが一切ない」
  • 「担当者が頻繁に変わり、そもそも税理士ではない人が対応している」
  • 「いつの間にか追加費用を請求される」

実は、こうした不満が生じるのには明確な理由があります

私は現在、税理士・行政書士事務所の代表を務めていますが、以前は国税調査官として税務の最前線に立っていました。また、中小企業診断士として経営全体のサポートも行っています。

今回のブログでは、そうした裏側を知る立場から、税務業界のリアルな実態をお話しします。

目次

おじいちゃん税理士だらけの業界

税理士業界は、過半数が60歳以上という非常に高齢化が進んだ業界です。 その背景には資格取得の特殊なルートがあります。

税務署や国税局に23年勤務し、所定の研修を受けると税理士資格が与えられるため、税務署長などの要職を経てから税理士登録をする人が全体の20%を超えているのです。

私も国税OBですが、私の場合は10年(最長15年)勤務で税法科目が免除(会計科目のみ合格)で、税理士資格を取得するルートです。このルートで税理士になる人は、23年勤務に比べごく少数です。

また、税理士試験の5科目合格に時間がかかる、定年がない自営業ということも高齢化の要因となっています。

なぜ「ミスマッチ」が起きるのか?

経営者の不満の根底には、税理士との間に生じる「3つのミスマッチ」があります

環境的要因(過度な価格競争)

クラウド会計の普及や、紹介サービス業者による「低価格化」の煽りが原因です。

紹介業者は成約率を上げるために安い税理士を提案し、なんと初年度売上の5〜7割を手数料として抜いていきます。その結果、業界全体が疲弊し、薄利多売による質の低下を招いています。

心理的要因(低価格に対する過剰な期待)

経営者は「積極的な節税提案」や「コンサルティング」を求めますが、低価格プランの前提はあくまで「最低限の事務処理と税金計算」です。

ここで「何もしてくれない」という不満と、「この報酬でそこまで要求されても困る」という税理士側の疲弊がぶつかり合います。

人的要因(コミュニケーション能力の不足)

専門家は早口でまくしたてるように話す人が多く、数字や法令の正解を伝えることはできても、経営者の不安に寄り添ったり、専門用語を噛み砕いて説明したりするのが苦手です。

営業が苦手で税理士紹介サービスを安易に利用する税理士も多いです。

また、契約初期に顧問先様と業務範囲のすり合わせができていないこともトラブルの元凶です。

品質は「ブラックボックス」…発覚するのは最悪のタイミング

税理士のサービスの品質は、普段は「ブラックボックス」に包まれています。簿記や税務の知識がない限り、正しく処理されているかを見抜くことは困難です。

品質の低さが明らかになるのは、主に以下の2つの致命的なタイミングです。

  • 資金調達(融資)のとき: 決算書が「税金計算のためだけ」に作られており、融資の審査に通らない
  • 税務調査のとき: 調査官から誤りを指摘され、多額の追徴課税を支払うハメになる

税務調査の衝撃データをご存知ですか?

令和7年(2025年)12月に発表された国税庁の資料には、衝撃的な事実が記されています

  • 追徴課税の確率: 法人は78%、個人は85%
  • 1件あたりの平均追徴額: 法人は634万円、個人は241万円(消費税を含むと368万円

場合によっては、税理士へ支払っている年間報酬の5〜10倍もの追徴課税が発生することもあります。 なぜこれほどの事態になるのでしょうか?

実は「税理士が事業の実態や取引の内容を確認していない」「税務調査の正しい対応を知らない」というケースが非常に多いです。もちろん経営者側に問題(脱税など)があるケースもあります。

税理士試験では税務調査の対応方法は勉強しません。そのため、調査官の指摘に根拠がない場合や間違っている場合でも、それに気づけず反論できない税理士が大勢いるのが現実です。

これからはなんとなくの申告が通用しない時代に

国税組織において、2026年9月から「KSK2」と呼ばれる次世代システムが運用される予定です。

このシステムにより、税務調査の未来が大きく変わり、なんとなくの申告が通用しない時代になります。今まで以上に追徴課税の確率と金額が高くなるでしょう。

詳しくは下のブログで解説しています。人気記事ですので、経営者の方はぜひ一度お読みください。

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税理士による税理士選びのポイント

先輩税理士の方から怒られる可能性がありますが、税理士選びの本音のアドバイスは以下のとおりです。

まずは「税理士に何を求めるか」を明確に

税理士を探す前に、まずはご自身が何を求めているのかを整理しましょう。

  • とにかくコスト(価格)を抑えたいのか
  • 経営の相談に乗ってくれる手厚いサービスを求めているのか

ここがブレていると、ミスマッチの原因になります。

「記帳代行」を売りにしている税理士は避ける

(※売上500万円未満の個人事業主の方を除きます)

領収書を丸投げできる記帳代行は一見ラクに思えますが、おすすめしません。

経営者自身が自社の数字をタイムリーに把握できず、「なんとなくの申告」になってしまうからです。経営を伸ばしたいなら、数字と向き合う姿勢が不可欠です。

「生命保険の代理店」をしている税理士も避ける

これは少し言いづらい業界の裏話ですが……保険代理店を兼ねている場合、お客様の会社の財務状況よりも、自分の事務所の「保険手数料売上」を優先した提案になりがちなケースがあります。

中立な立場でのアドバイスが期待できないリスクがあります。

顧問契約書を作成しないのは「プロ失格」

信じられないかもしれませんが、口約束だけで顧問契約書を作成しない税理士がいます。これはプロとして論外です。

業務範囲、契約当事者の責任、価格などが不明確なままでは、後々大きなトラブルに発展するリスクが非常に高くなります。

必ず会って、比較検討して決める

ホームページの印象、紹介してもらったという理由だけで決めてはいけません。必ず実際に税理士に会って話をしてください。

  • 税理士の理念や人柄
  • これまでの経歴
  • 具体的なサービス内容や、事務所の雰囲気

これらをご自身の目で確かめ、複数の事務所を比較検討することが大切です。

違和感があれば、迷わず「セカンドオピニオン」や「税理士変更」を

現在の顧問税理士に不安や不満があるときは、遠慮は一切不要です。

「お世話になっているから……」「紹介してもらったから……」と気を遣って会社の成長を止めてしまうのは本末転倒です。セカンドオピニオンを活用したり、思い切って税理士の変更を検討しましょう。

【まとめ】税理士のあるべき姿は「経営パートナー」

「税理士報酬は安くて当然」という風潮がありますが、いざという時に会社や経営者を守ってくれなければ、意味がありません。

会社の数字を預ける税理士は、単なる事務代行ではなく、いわば「経営のパートナー」です。

私たち税理士は、初対面の経営者の方から「普段は他人に絶対に見せない決算書」を見せていただける、非常に特殊な立場にあります。 だからこそ、税理士を選ぶ際は以下の点を見極めることが重要です。

  • 自社のビジネスに真摯に向き合ってくれるか
  • 専門用語を並べるのではなく、分かりやすい言葉でコミュニケーションが取れるか
  • 税務調査や融資といった「有事」に強い実務経験を持っているか

決して妥協せず、自社の成長を本気でサポートしてくれる専門家を選んでください。税理士選びが会社の寿命を変えるからです。

そして、その大切なパートナーの候補として、当事務所を選んでいただけると幸いです。

元国税調査官としての「税務の裏側を知る目」と、中小企業診断士としての「経営を伸ばす視点」の両輪で、あなたの事業を全力でサポートいたします。

「今の税理士のままでいいのかな?」「起業に向けて信頼できる専門家を探している」という方は、ぜひ一度お会いしてお話をしましょう!

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この記事を書いた人

関東の国税局・税務署で10年以上、法人の税務調査や酒類業免許審査担当などに従事。在籍中に中小企業診断士登録。その後、高付加価値サービスを提供する税理士法人で実務経験を積み、より多くのお客様に向き合うため独立開業。
顧問先様の「税務調査ゼロ」を掲げ、年間30件以上の創業支援を手がける。酒類販売免許に強い行政書士としても活動し、令和7年度からは大阪産業創造館の「経営サポーター」として大阪の経営者を多角的に支えている。

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